こんにちは。野口です。


営業に関して、多くの人が勘違いをしています。私もその一人でした。
営業をしていく上で多くの課題にぶつかります。課題は一見複雑で、解き解すには一筋縄ではいかないように見えます。


【商材に依存する】
高いから売れない、競合より性能が劣っているから売れない…確かに安くて良いものなら売り易いですが、売れない要因はそれだけでしょうか。もしくは、高くて性能が劣っていても売れるやり方は、本当にないのでしょうか。


【自分に疑問を持つ】
売れない時期が続くと、自分がすべて悪いのではないかと考えてしまうこともあります。もちろん、完璧な人なんていませんから、日々を省み、結果を分析し、次に活かせればよいのですが、単に自信を無くし答えのない問いや悩み(自分は営業に向いてないんじゃないかといったような)の迷宮に入り込み、一層自信を無くしてしまう。

自社の商品を自信なさそうに勧めてくる人から買いたいと思う人はごく少数でしょう。


【思考が先立つ】
誰だって失敗はしたくありません。失敗しない為に考えるのはとても大切なことです。ですが考えることはよりよく行動するための手段であり、考えること自体が目的ではありません。この主従が入れ替わってる人をしばしば見かけます。

まして考えるあまり失敗を恐れて行動ができなくなってしまっては本末転倒です。


【とにかく行動】
「営業は足で稼ぐ」なんて言葉があるように、今の時代でも泥臭い営業ができる人は、なんだかんだで地力があります。しかしこれもまた、契約を取るための手段であり、電話を掛けることも訪問することも、目的に至るための手段なのです。

行動してる分、成長に繋がりますから無駄ということはありませんが、ここにコスト意識を乗せて考えると、新人の研修等以外では効果的ではありません。

営業に求められる成果とは、人件費も含めた原価以上の売り上げを立て、利益を出すこと。研修等にお金がかかってるのであれば、それも回収しなくてはなりません。

契約をいくつとっても、ひとつ当たりの契約金額が高くても、赤字の案件ばかりではその仕事を続ける意味は少ないでしょう。


【お客様のために】
お客様のために何ができるのか…営業マンとして最も重要なミッションです。では、お客様が望むことはなんでも応えるのが営業マンの務めなのでしょうか。

お客様としては、安ければ安いほどありがたいのは当たり前です。では、ぎりぎりまで値を下げるのがお客様のためでしょうか。


戦略上利益を度外視してでも売る必要があるときはそれでもかまわないと思います。


しかし、「お客様のため」という意識のみで値を下げたり原価を上げたり(機能追加など)をしてしまえば、自ずと利益は目減りし、その事業が成り立たなくなります。


売り切りの商品であれば、買った「お客様のため」にはなるでしょうが、それを求めているお客様に成り得る人々とってはその商品が与えてくれるベネフィットを得る機会を失わせる結果になります。


まして継続した保守や運用、サポート、サービスが必要になる商材であれば、購入・契約したお客様自身にも迷惑が及んでしまいます。



【儲けるのは悪いこと?】
勧誘すること、結果儲けることに対し、嫌悪感とまではいかなくても違和感を持っている人は、意外と多くみられました。

【お客様のため】の項でも触れましたが、事業は利益が出続けていないと存続できず、企業は事業の利益が出続けていないと存続できません。


企業の存在価値はその会社が扱っている商材の価値のみならず、雇用や税金などの面から、企業のひとつひとつが地域や国に対して貢献しています。企業によっては直接的に地域や文化に貢献していることも少なくありませんし、有事の際には募金やボランティア活動なども行います。


逆に言えば、ひとつの企業が消失してしまうと、上記の価値・効用が失われるばかりか、協力企業や取引先などにも影響は波及してしまいます。


利益が企業の存続と行動の選択肢に寄与するならば、その利益をより多く出し続けることが企業の使命のひとつだと思います。


その一端を担うべき営業の仕事は、絶対に必要なものです。提供するものが顧客の安全・安心を害せずに価値を提供できる限り、対価から利益を捻出することは悪ではないと断言します。



私自身が経験したものを中心にいくつか例を挙げてみましたが、もっとあると思います。
そのすべてに言えることですが、

・まず何のためにやるのか、目的はなんなのかをはっきりさせ
・手段と目的を明確に分け
・目的から目標を策定し
・目的に至る為の手段を構築し
・手段を用い行動して目標を達成し目的を果たす

という軸に沿って考えることで、複雑化してしまっているように見える課題も簡素化し、思っていたよりも簡単に解決できます。

例えば【商品に依存する】なら。

競合より高くて性能で負けてしまっているという課題をそのまま解決しようとすれば、開発という手段になるでしょう。企業としてはすべきことですが、時間もお金もかかるうえ、一営業マンとして「簡単に解決できる」問題ではありません。

ですが、


・自社の製品でお客様を喜ばせるという目的を決め
・他社製品にはない自社製品だけの魅力の分析や、自分だからできる(お客様にとって価値のある)魅力的な提案を練り
・提案という手段を以てお客様に納得していただく

ことで、成約へと至れます。

魅力的な提案とは、まさに「価値を創出」することです。
個人あるいは組織に、価値創出のスキームやメソッドを提供するのが私たちのミッションです。詳しくはお問い合わせください。

「顧客開拓の最前線」トップページへ